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岐阜地方裁判所 平成元年(わ)610号 判決

宣告の日

平成二年三月七日

裁判所

岐阜地方裁判所

裁判官

小林敬子

検察官

菊川秀子

罪名

所得税法違反

被告人

本籍

岐阜市日光町一丁目一二番地

住居

同右

職業

呉服卸売業

中嶋武

昭和六年一月二二日生

主文

被告人を懲役二年及び罰金六〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは金三〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

(罪となるべき事実の要旨)

被告人は、岐阜市日光町一丁目一二番地に居住し、個人で営利を目的とした株式の売買取引を継続して行つていたものであるが、所得税を免れようと企て、保有株式の名義を家族等他人名義にする方法により、所得を秘匿した上

第一 昭和六一年分の実際の総所得金額が二億三八四万三、二二一円で、これに対する所得税額が一億二、八一二万一、五〇〇円であつたのに、同六二年三月一二日、岐阜市千石町一丁目四番地所在の岐阜北税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一、一六五万四、一七四円であり、これに対する所得税額が八九万七、九〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右正当所得税額との差額一億二、七二二万三、六〇〇円の所得税を免れ

第二 同六二年分の実際の総所得金額が一億二、六九七万六、六五三円で、これに対する所得税額が六、六七八万一、七〇〇円であつたのに、同六三年二月一八日、前記岐阜北税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一、〇七一万八、九一五円で、これに対する所得税額が五三万六、八〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右正当所得税額との差額六、六二四万四、九〇〇円の所得税を免れ

第三 同六三年分の実際の総所得金額が一億七、四八八万二、〇四六円で、これに対する所得税額が九、三六四万五、二〇〇円であつたのに、平成元年三月一三日、前記岐阜北税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一、一二九万七、七三〇円で、これに対する所得税額が五六万八〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右正当所得税額との差額九、三〇八万四、四〇〇円の所得税を免れ

たものである。

(適用した罰条)

一 所得税法二三八条

二 刑法四五条前段、四七条本文、四八条二項、一〇条

三 刑法一八条

四 刑法二五条一項

(裁判官 小林敬子)

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